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第四次中東戦争（１９７３年１０月）は、エジプト・シリア連合軍によるイスラエル占領地に対する奇襲から始まりました。その前提は一つ前の第三次中東戦争で、イスラエルがやはり宣戦布告なしの奇襲空爆（したがって明白な国際法違反）によって大戦果を収め、特にシナイ半島を占領し続けて、スエズ運河を事実上封鎖状態にしたことです。ナセル政権は財政破綻の危機に陥りましたが、ソ連への接近によって何とか体制を整え、不安定な時期を乗り切りながら消耗戦をしかけました（１９６７～７０年）。ナセルの急死によってこの消耗戦は中断しましたが、ナセルの遺志を継いだ盟友サダト大統領の入念な準備によって、奇襲作戦は少なくとも当初、相当程度に成功し、イスラエルに負け続けていたアラブ世界が自信を取り戻す大きなきっかけとなりました。戦争全般の性格としては以下の四点が重要です。
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