田中健×神保哲生:アメリカ抜きのCOPで不十分とはいえ一定の成果をあげられたことは評価

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インタビューズ(2025年12月6日)
『アメリカ抜きのCOPで不十分とはいえ一定の成果をあげられたことは評価』
ゲスト:田中健氏(WWFジャパン気候・エネルギーグループオフィサー)
聞き手:神保哲生

 国連の第30回気候変動枠組条約締約国会議(COP30)が、11月10日から22日までブラジル・ベレンで開催された。アメリカが不参加の中で行われたCOP30で何があったのかを、会議に参加したWWFジャパンの気候・エネルギーグループオフィサーの田中健氏に聞いた。

 田中氏はアメリカの政府交渉団が不参加だったことについて、「カリフォルニアやニューメキシコの州知事が参加しており、連邦政府が不在でもアメリカとしてパリ協定の実施に取り組むという発信が強く行われていたのが印象に残った」という。

 一方、中国については、会場の入り口付近に大きなパビリオンを設け、国有の再生可能エネルギー企業がプレゼンテーションなどを行うなど、アメリカの抜けたCOPにあって中国がクリーンエネルギーで世界をリードしていることを大々的にアピールしていたのがとりわけ目立ったという。

 田中氏は、今年のCOPについては「化石燃料脱却のロードマップが明記されなかった」、「アメリカ不在で後退したのではないか」といった否定的な報道が多いが、アメリカに追随してパリ協定から離脱する国はなく、少なくともCOPという会議体が多国間主義の下で一定の合意に達することができた点は前向きにとらえるべきだと語った。

 田中氏にジャーナリストの神保哲生が聞いた。

【プロフィール】
田中 健(たなか けん)
WWFジャパン気候・エネルギーグループオフィサー
1979年福岡県生まれ。2002年九州大学理学部卒業。04年同大学大学院理学府修士課程修了。専門は非国家アクターによる気候変動対策。04年福岡県庁環境部、12年経産省リサイクル推進室、14年日本科学未来館科学コミュニケーターを経て18年より現職。

神保 哲生 (じんぼう てつお)
ジャーナリスト/ビデオニュース・ドットコム代表 ・編集主幹
1961年東京都生まれ。87年コロンビア大学ジャーナリズム大学院修士課程修了。クリスチャン・サイエンス・モニター、AP通信など米国報道機関の記者を経て99年ニュース専門インターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』を開局し代表に就任。著書に『地雷リポート』、『ツバル 地球温暖化に沈む国』、『PC遠隔操作事件』、訳書に『食の終焉』、『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』など。

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