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標高4000メートルを超える極寒の荒野。そこで、世界第1位と第2位の人口を持つ大国、中国とインドの兵士たちが、銃ではなく「棍棒」や「石」で殴り合う。この奇妙すぎる光景の裏には、単なる領土問題を超えた、両国の「生存」をかけた恐ろしい理由が隠されていました。
なぜ、あんな何もない「不毛の地」で争うのでしょうか。まず大前提として、このヒマラヤの国境地帯は、そもそも「国境線」がハッキリと決まっていません。これは、100年以上前のイギリス植民地時代に引かれた曖昧な線引きが、今もなお火種として残っているからです。
両国は「ここまではウチの土地だ」と互いに主張し、その主張が重なり合う地域で、競うように道路や軍事拠点を建設しています。これが、2020年に起きた「ガルワン渓谷」での衝突の引き金です。
彼らが銃を使わず、こぶしや特製の棍棒で殴り合ったのは、「国境付近では銃火器の使用を控える」という、かつての取り決めがあったから。しかし、それは裏を返せば、両国とも「戦争」にエスカレートさせたくはないが、それでも「一歩も引きたくない」という、ギリギリのせめぎ合いの表れなのです。
では、なぜそこまでして、あの土地に固執するのか。中国にとって、この地域はチベットや新疆ウイグル自治区を安定させるための「裏口」であり、同盟国パキスタンへと抜ける「一帯一路」構想の重要な通路です。ここをインドに脅かされるわけにはいきません。
一方、インドにとって、ここは中国という巨人が自国の「玄関先」にまで迫ってくるのを防ぐ、最後の「防衛ライン」です。インドは、中国がパキスタンやスリランカに接近し、インド洋で自分たちを包囲しようとする「真珠の首飾り戦略」にも強い警戒を抱いており、陸上でのにらみ合いも激化しているのです。
しかし、両国が本当に奪い合っている、最も恐ろしいもの…それは「水」です。
ヒマラヤ山脈は「アジアの給水塔」と呼ばれています。インダス川、ガンジス川、ブラマプトラ川など、アジアの巨大な川の「水源地」なのです。そして、中国はその「上流」であるチベット高原を実効支配しています。これは、中国がアジア全体の「蛇口」を握っているのと同じです。
もし中国が、その気になって上流に次々と巨大なダムを建設し、水の流れをコントロールすれば、下流に住むインドの14億人、そしてバングラデシュなどの国々は、深刻な水不足、つまり「渇き」によって国家の存亡を脅かされることになります。インドにとって、これは「命の蛇口」を他国に握られる、悪夢のようなシナリオなのです。
ヒマラヤ山脈での奇妙な「殴り合い」は、単なる国境紛争ではありません。それは、アジアの覇権をかけた地政学的な戦いであり、何十億人もの「命の水」をめぐる、未来の「水戦争」の前哨戦なのです。だからこそ彼らは、あの極寒の地で、一歩も引くことができないのです。
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