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日本銀行は29日の金融政策決定会合で、追加利上げを見送ることを決定した。米国による高関税政策が世界経済や日本の輸出に与える影響を慎重に見極める必要があるとして、現行の金融緩和政策を維持する。短期金利はマイナス0.1％、長期金利は0％程度の誘導目標を据え置き、物価と賃金の動向を注視する姿勢を示した。
植田和男総裁は会見で「海外経済の不確実性が高く、急速な政策変更は望ましくない」と述べた。米中間の貿易摩擦が再燃し、サプライチェーンへの影響や円高リスクも指摘される中、日銀は当面、緩和的な金融環境を維持する方針だ。
物価上昇率は2％前後で推移しているが、実質賃金の伸びは弱く、消費の回復力は限定的。日銀は「賃金と物価の好循環が定着するまで、慎重な政策運営を続ける」としている。
市場関係者の間では、年内の利上げは難しいとの見方が強まっており、次回会合（12月）でも据え置きが有力視される。今回の判断は、世界的な金融政策の転換期における日本の慎重な立場を象徴している。
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