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果物の中でも人気の高いぶどうですが、近年は気候変動の影響が懸念されています。今年の異常な暑さや気温上昇は、ぶどうの栽培にどのような影響を与えているのでしょうか。
山梨県のぶどう狩り園の久保田雅史さんは、高温による粒の小ささや糖度の上昇不足など、ぶどうの出来に影響が出ていると話します。
神戸大学大学院の助教、上森真広先生は、ぶどう栽培と気温の関係について研究しています。日本の年平均気温は上昇しており、特にここ数年は記録的な高温が続いています。この温暖化の影響は、ぶどうの着色不良や果粒の成長不良、発芽や満開のタイミングの変化など、様々な形で現れています。
人気品種の巨峰では、満開後の平均気温が果皮の色に影響することがわかっています。将来の温暖化が進むと、着色不良地域が拡大する可能性があります。
上森先生は、代表的な品種であるデラウェアへの温暖化の影響も調査しました。大阪府羽曳野市での48年間のデータをもとに検証した結果、気温上昇に伴い、発芽日や満開日が早まっていることが明らかになりました。
この変化は、病害虫防除や種なし処理の適期に関わるため、過去の経験に基づく栽培管理が難しくなっています。
上森先生は、2050年までの気温上昇により、発芽日や満開日が早まることを予測しています。この変化に対応するためには、栽培管理の高度化や加温栽培の見直し、他の果樹への転換など、様々な検討が必要になるかもしれません。
私たちがおいしく食べているぶどうは、農家の努力と気候・技術のバランスの上に成り立っています。このバランスが崩れることは、植物全般への影響も考えられます。温暖化の影響を軽減するため、私たち一人一人ができることを考えていきましょう。
ウェザーニュースでは、地球温暖化対策に取り組み、皆さんと一緒に地球の未来を考えていきます。
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