【ラジオ】【環境】沈みゆく島、追われる人々 ――アメリカの気候難民の現状(2020年)

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アメリカにおける気候難民の問題は、2020年の時点で、すでに静かに進行していた。約170万人が異常気象によって住まいを失い、その数は年々増加の一途をたどっている。突発的なハリケーンや山火事だけでなく、じわじわと進行する海面上昇や慢性的な洪水が、生活の足元を蝕んでいた。

中でも象徴的なのが、ルイジアナ州のジャン・チャールズ島である。ここでは長年にわたり海岸浸食と地盤沈下が続き、土地そのものが消えつつあった。1950年代には300人以上が暮らしていたこの島も、2010年代には40人程度にまで人口が減少した。連邦政府は、住民全体を島外へ移転させるための計画に着手し、4800万ドルの資金を拠出。この試みは、アメリカで初めて、気候変動を直接要因とした「公式な集団移転」として記録された。

また、この年には年間50万戸もの住宅が恒常的な浸水リスクに晒されるとされ、沿岸都市では住民の間に静かなパニックが広がっていた。自然災害に備える保険制度の限界が露呈し、貧困層やマイノリティが最も被害を受けやすいことも明らかになった。

一方で、国家レベルではパリ協定からの離脱や温暖化対策の後退が進み、気候危機への対応は各自治体や市民に委ねられていた。ジャン・チャールズ島の移転は、連邦政府が気候変動に対して異例の介入を行った珍しい例である。

この出来事は、単なるひとつの地域の消失ではない。それは、これからの時代、どの都市もどの家も「次に沈むかもしれない」という不安の象徴であり、アメリカという国が、自然と人間の共存という難題にいかに直面しているかを物語っている。

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