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AIのデータセンターが、建てられなくなっています。
足りないのは半導体ではありません。変圧器です。
発電所の電気は、そのままでは使えません。
高い電圧で送り、使う場所で低くする。その変換をするのが変圧器です。
街の電柱の上にも、灰色の樽のような形で載っています。
いま、この装置の納期が5年に伸びました。以前は2年です。
アメリカでは、計画されたデータセンターの約半数が遅れるか中止になったと報じられています。
2026年に稼働予定のうち、実際に建設中なのは3分の1以下とされます。
なぜ、こんな古い装置が足りないのか。
変圧器の中身は、鉄の板と、銅の線だけです。
鉄の芯に銅線を巻く。巻く回数の比で、電圧が変わる。
この原理は、1885年のZBD変圧器から変わっていません。
日本では1894年、芝浦製作所——いまの東芝が、イギリスのフェランティ製品を模倣して作り始めました。
単相0.375〜10kVA、三相1〜30kVA。1000Vや2000Vを100Vに落とすものです。
1895年の第4回内国勧業博覧会(京都)に出品され、空冷で細長い形から「石塔型」と呼ばれました。
130年たっても、鉄を積み、銅を巻くという作り方は同じです。
大型のものは、いまも人が巻いています。
だから注文が増えても急には作れない。工場も、職人も、一朝一夕には増えません。
そこへAIが来ました。データセンターは街1つ分の電気を使います。
日立エナジーの受注残は476億ドル——約7兆円。6年先までの契約が見えています。
15億ドル超を投じて2027年までに製造能力を上げ、米国にも1500億円超を投資しています。
変圧器部品の増産に370億円を出し、競合他社にも供給するという判断もしています。
東芝も2027年度までに約550億円を投じ、2030年度に生産能力を2024年度比で2倍以上にする計画です。
ただし、増やしても数年は追いつかないとされています。
中国メーカーの輸出も伸びており(2025年は前年比+36.3%)、価格で押してきています。
鉄と銅を巻くだけの装置が、いまAIの速度を決めています。
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※ 納期・遅延の数値は報道ベースです。
※ 日立エナジーは、日立が買収した旧ABBの送配電事業を母体とする企業です。
【出典】
変圧器の納期・データセンターへの影響(報道各社)
東芝エネルギーシステムズ ニュースリリース(送変電機器の増産投資)
日立エナジー/日立製作所 の投資発表
【画像クレジット】
・Tekapo A Power Station – switchyard and transformer.jpg / CC BY-SA 4.0
・Tenzan power station ground switchyard.jpg / CC BY-SA 4.0
・Grays Harbor PUD equipment yard.jpg / CC BY-SA 4.0
・Transformer installation in the electrical room… (43672643054).jpg / CC BY 2.0
・Installation of electrical panels in the transformer room… (47952891426).jpg / CC BY 2.0
・A TRANSMISSION TOWER IN SHENZHEN.jpg / CC BY-SA 4.0
・2013 Transmission tower Long Bennington.jpg / CC BY-SA 3.0
・Transmission towers at sunset in East Texas.jpg / CC BY-SA 4.0
・Pole mounted Transformer.jpg / CC BY 3.0
・Hoover Dam 変電所の記録写真(HAER):パブリックドメイン
・データセンター/工場の写真・映像:Pexels
(上記以外はパブリックドメインまたはCC0)
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