「ニュース」激変・安全保障 3000人に聞きました

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戦後の国際秩序が大きく揺らぎ、各国が軍事力増強にかじを切る中、日本政府は防衛力の強化に向けて、年内にも「安全保障関連3文書」の改定を目指しています。
有権者は安全保障に対してどのような不安を抱え、どのような外交・安全保障政策をとるべきだと考えているのか。NHKは今回、安全保障についてのアンケート調査を行い、その意識を探りました。
※調査は7月4日と5日、全国の18歳以上を対象にインターネットで行い、3069人から回答を得ました。調査結果は四捨五入しているため合計が100%にならないことがあります。
日本を取り巻く安全保障環境についてどう感じているか聞いたところ、「大いに不安を感じている」が24%、「ある程度不安を感じている」が53%、「あまり不安を感じていない」が11%、「全く不安を感じていない」が1%、「わからない」が10%でした。「不安を感じている」が「大いに」と「ある程度」を合わせて8割近くとなりました。
国・地域別に聞いたところ、「不安を感じている」と回答した割合は、「大いに」と「ある程度」を合わせて、「中国の東シナ海などでの軍事的な動向」が81%と最も高く、次いで「北朝鮮の核・ミサイル開発」が79%、「ロシアの軍事的な動向」が78%、「台湾海峡をめぐる情勢」が75%、「アメリカのアジア太平洋地域での安全保障政策」が67%となりました。
「日本を取り巻く安全保障環境について『全く不安を感じていない』と答えた人はわずか1%となったように、多くの人が不安を抱えていることは注目できる。国別に見たところ、本来であれば同盟国であるアメリカの安全保障政策に対しては不安を覚えるものではないが、7割近くの人が不安を感じているのはある意味で異常事態だ。トランプ政権下におけるアメリカの安全保障政策に対する信頼が揺らいでいる」
日本の防衛力について、今後どうすべきだと思うか聞いたところ、「大幅に強化すべき」が20%、「ある程度強化すべき」が48%、「今のままでよい」が17%、「ある程度縮小すべき」が3%、「大幅に縮小すべき」が2%などとなりました。「強化すべき」が「大幅に」と「ある程度」を合わせて7割近くとなりました。
政府は、2027年度までの5年間におよそ43兆円を投じて防衛力を抜本的に強化する計画を進めています。今後の防衛費の規模について、どうすべきか聞いたところ、「大幅に拡大すべき」が14%、「ある程度拡大すべき」が41%、「今のままでよい」が22%、「ある程度縮小すべき」が7%、「大幅に縮小すべき」が4%などとなりました。
防衛費を「大幅に拡大すべき」「ある程度拡大すべき」と回答した人に、増額する防衛費の財源は主にどんな方法で確保すべきか複数回答で聞いたところ、「他の予算を削る」が56%、「国債を発行する」が27%、「増税する」が16%などとなりました。
飯田教授「増税によって防衛費を賄うのは明らかに不人気な政策だと考えられる。防衛力を拡大すべきと考えていても、『増税は嫌だ、国債は嫌だ、それ以外のところで何とかしてほしい』という意識の表れだ」
政府は防衛力の強化に向けて、国内の防衛産業の育成や基盤強化を図ろうとしていますが、これを進めるべきか聞いたところ、「進めるべきだ」が50%、「進める必要はない」が22%、「わからない」「無回答」が合わせて29%となりました。
防衛装備品の海外への移転をめぐり、政府は、運用指針を改正し、殺傷能力のある「武器」の輸出を、原則可能にしました。このことは、日本の安全保障にとって良い影響が大きいか、悪い影響が大きいか聞いたところ、「良い影響が大きい」が11%、「どちらかといえば良い影響が大きい」が24%、「どちらかといえば悪い影響が大きい」が27%、「悪い影響が大きい」が11%、「わからない」が26%などとなり、意見が分かれました。
日本が核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」と定めた「非核三原則」について、今後どうすべきだと思うか聞いたところ、「守るべき」が46%、「どちらかといえば守るべき」が21%、「どちらかといえば見直すべき」が13%、「見直すべき」が9%などとなりました。「守るべき」と「どちらかといえば守るべき」を合わせて7割近くとなりました。
今後の日本の外交・安全保障政策について、特に強化すべきだと思うことを3つまでの複数回答で聞いたところ、「アメリカ以外の同志国との連携」が38%、次いで「日本独自の防衛力」が33%、「アメリカとの同盟関係」が29%、「国連など多国間の枠組み」が26%、「中国など周辺国との関係」が19%などとなりました。
飯田教授「他の調査項目も合わせて分析すると、アメリカに『見捨てられる』という不安よりもアメリカの戦争に『巻き込まれる』という不安が大きいことが読み取れる。アメリカは同盟国にもかかわらず信頼できない。かといって一番の『不安』の源泉である中国と関係を強化すべきかといったら、そうでもない。残されたオプションとしてはアメリカ以外の同志国との連携、そして日本独自の防衛力を高めることだと考えている人が多い」
今回の調査の自由記述には、安全保障環境の不安などから防衛力の強化を求める意見、平和国家の理念を重視し防衛力強化には慎重であるべきだとする意見、国連などの枠組みや外交を重視すべきだとする意見などさまざまな声が寄せられました。ただ、多くの意見に共通していたことは、アプローチは違っても「平和」を求めるというものでした。
政府が「安全保障関連3文書」の年内の改定を目指す中、防衛力強化をめぐる議論はこれから本格化していきます。今後も取材を継続していきたいと思います。
政経・国際番組部ディレクター平尾崇2016年入局沖縄局を経て現所属

情報源: NHK NEWS WEB

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