ウクライナ人の生命を脅かすニッポン

ウクライナ人の生命を脅かすニッポン

ニッポンがウクライナ人の生命を脅かしている。

ウクライナ情勢、軍事的にはもちろん何の進展もない膠着状態だが、ウクライナのカネをめぐる情勢は、今月に入ってから大きな転期を迎えている。

12月6日、アメリカ上院では、ウクライナ、イスラエル、台湾などに対応する軍事支援のパッケージ1,060億ドルの提案が拒否された。

焦ってアメリカに飛んで来たゼレンスキーに対し、バイデン大統領が与えた支援の約束は、わずか2億ドルであった。

12月15日のEUサミットでは、ウクライナ支援に対して500億ユーロの予算が審議されたが、主にハンガリーの反対によって否決された。

12月19日のG7財務相・中央銀行総裁のオンラインによる会合では、日本が45億ドルのウクライナ支援をすると表明した。

アメリカ、ヨーロッパが相次いでウクライナへの支援を打ち切る中、なぜか日本だけが元気よくウクライナへの支援を打ち出す、という極めて不自然な成り行きになっている。

欧米がウクライナ支援を取りやめている背景は明らかだ。その支援が何の効果も生まず、まったくのムダ金であることが明白になったからである。どんなにカネを突っ込んでも反転攻勢などさっぱりなく、もはやロシアの勝利が確定しているのに、これ以上のカネをゼレンスキーに渡しても、ただ単にカネをドブに捨てるようなものだ。

普通に事態の推移を見ていれば、それ以外に考えようがないのに、なぜ鈴木財務相だけが、ゼレンスキーに45億ドルもの大金をつぎ込むのか。欧米が見捨てたウクライナに、なぜ周回遅れで日本だけがカネを出すのか。まことに不思議な行動であると言わざるを得ない。

我々の血税が、ただ単にウクライナ国民の生命を脅かすためだけに使われる。まことに悲しい事態である。

では、どうすれば良いのか。永田町はこの事態に対して無反応で、与野党を問わず、何の関心もないようだ。ならば、霞が関の良識に期待するしかなくて、霞が関の官僚はこの45億ドルの支援に対して、約束はしても実行はしない、という作戦でのぞむべきだろう。

どうでも良い理屈をあれこれつけて、支払いをいつまで引き延ばすのかと言うと、それは少なくとも2024年の3月までだ。ゼレンスキーの妨害が成功しなければ3月にウクライナでは大統領選出のための選挙が実施される。そうなれば、おそらくゼレンスキーは再選できないので、次の大統領が和平交渉を行って、ウクライナは平和になる。

その時点で、この45億ドルは、戦費としてではなく、復興支援金に切り替えるべきである。国を復興するためには、電力、通信、水道、流通などのインフラ整備が必要となる。日本には総合商社という有力な機関があり、彼らはインフラ整備に必要な一切を用意することができる。

特に自分が興味を持つのは、流通である。人々に生活物資を行き届かせるためには、日本では当然のように成立しているコンビニのネットワークをシステムごと輸出することが有効だろう。三井物産はセブンイレブン、三菱商事はローソン、伊藤忠商事はファミリーマート、と有力商社は主要なコンビニの運用ノウハウを保有している。これを、ポーランド型の生活パターンを持つリビウなど西部地域、ロシア語が話されロシア的な生活パターンを持つ東部地域、大都市で諸文化が混合するキーウ地域などに分け、それぞれの地域の特性に合わせたコンビニ・ネットワークを立ち上げられたら、それ自体が新しいビジネス・モデルになり得る。

カネは戦争のためにあるのではない。平和と繁栄を実現するために使われてこそ、正しいカネの使い方であると言える。45億ドルの行方が正しいことのために使われれば、日本の納税者にとっても、それは良い納税だった、という結果になることだろう。